2024/02/22
喉をみればインフルエンザが診断できる!?というウワサのAI診療機器(ふつうに保険適応です)を導入いたしました。従来の方法-鼻ぐりぐり-に比べて感度が良い、という都市伝説があるようですが、従来法と比較して差はありません。発症初期でも診断できる、という都市伝説もあるようですが、これもやはり従来法と比べて統計的に有意な差はありません。まあ、初期には従来法と比べて少し診断感度が高いかなあ、程度のものです。
この診断方法を選択する際に、なかなかキビシイ条件があります。
1.あーん、した状態で、喉の18枚の連写写真を撮影します。約10秒間の静止協力が必要です。ちゃんと撮影できないとAIさまも診断できません。
2.撮影には使い捨ての部品を使用します。ご家族の(本人の)ご希望-鼻の検査を嫌がるから、等-により当診断方法を選択され診断を試み、本人の協力が得られず診断情報が得られなかった場合は、当該部品代を自己負担いただくことになります。高いですよ。缶コーヒー2本買えます。ちゃんと撮影できた場合は、もちろん保険診療に含まれます。
3.診断に際しては、発症からの体温経過や諸症状の有無等、詳細な病状聴取が必要となります。病状、診察所見、そして喉の撮影。これらを突き合わせて最終的にAIが診断します。喉を観れば診断できる、というものではありません。
4.インフルエンザA型/B型の区別はできません。
以上のことが現時点での課題です。
当院では、ご家族がこの数日間にインフルエンザと確定診断されていること且つ必ず10秒間、あーんしながらじっとできる(と思われる)こと且つ発症直後ではなく、やはり半日程度経過していること且つご家族が強く希望されること、これを条件に実施しています。ご希望いただいても従来法をご提案する場合もあります。
低年齢の小児、あーんが得意でないお子さま、においては、鼻ぐりぐりをご提案します。
我こそは、と思う方、ご相談ください。