５月の第１土曜日。
　アメリカ・ケンタッキー州ルイビルでは、「すべてのスポーツのなかで最も偉大な２分間」と称される、「ケンタッキー・ダービー」が行われます。
　Churchill Downs競馬場の１０ハロン（約２０００m）。３歳馬のみに出走が許されるその競走は、「The Run For The Roses」とも呼ばれ、勝者には薔薇のブランケットが贈られます。
　前夜、緑色のサテン地のブランケットには５５４本の薔薇が飾り付けられ、その朝、警察の護衛の下、競馬場に運ばれます。

　ダービー当日、女性はとびっきりお気に入りの帽子を被って競馬場に向かいます。
　レースが近づくと、１４万人を超える観衆が、特製のMint Julepsを手に「My Old Kentucky Home」を大合唱する中、競走馬たちが馬場に入場してきます。

The sun shines bright in the old Kentucky home,
Tis summer, the people are gay;
The corn-top’s ripe and the meadow’s in the bloom
While the birds make music all the day・・・

・・・

Weep no more my lady. Oh! Weep no more today!
We will sing one song for my old Kentucky home
For the old Kentucky home, far away.

「もう泣かないで、いとしい人、今日はもう泣かないで」
「ひとつの歌を歌う、遥かなるケンタッキーの我が家よ」

　とどろくような歓声。薔薇を手にするのはどの馬でしょうか。
　もうすぐ、５月７日土曜日、第１４２回ケンタッキー・ダービーのゲートが開きます。

　今年は、日本からも参戦します。ラニ、がんばれ。